ねこぐるまのブログ

一児の母です。最近派遣で働きはじめました。

あたまの中に浮かんでは消えてゆく由無し事を
消える前に書きとめる

「ごちそうさん」活男の戦死に思ったこと

退職してから朝ドラを見続けている。正しくは、実家に出勤し、お昼休み、満腹の腹をさすりながら父とテレビをながめている。


今週の「ごちそうさん」はめ以子の次男、活男が戦死するというつらいお話だった。

活男は海軍に志願して亡くなったのだけど、なんだかとても身につまされた。


私の父の叔父にあたる人が二人、海軍にとられ、二十歳そこそこで亡くなっている(父の実家はとある島)。私はその話を祖父や父から何度も聞かされて育った。

祖母からも、戦時中の話をよく聞いていた。本当に、山のてっぺんでB29に向けて竹やりを突き上げていたというのだから驚く。

学校でも熱心な平和教育を受けてきたし、結果、私は同世代の平均よりは少し戦争とか平和とかに敏感な人間に仕上がったようだ。


結婚前、夫(実家は山間部)に前述の話をし、あなたの身内はどうだった?とたずねたことがある。
そしたら、聞いたことがないし、たぶん身内に戦争に行った人はいないんじゃないかなぁ、という答えが返ってきた。

私は、そんなことがあるなんて、と死ぬほど驚いた。世の中の不公平さ、不条理さに驚愕し、人の運命のはかなさを思った。

父にその話をしてみたら、「島の人は海軍にとられやすいし、海軍は船が沈められたら一発だから」

戦争で生きるも死ぬも、結局は運なんだなぁ、と余計やりきれなくなった。

そして、祖父と父が戦争を美化しがちな理由がなんとなく理解できたような気がした。祖父と父がお国のために死ぬ気持ちは正義!みたいに言うのがすごく嫌だった。でも、身内が運悪く戦死してしまったら、それが本当に運でしか片付けられないのなら、戦争を肯定しないと気持ちを整理できないのかもしれない。


だからと言って、やっぱり私は戦争反対なのは変わりないけれど。


昨晩、父が「自分は確かに戦争を賛美する立場だ」と明言して、「ただ、こんな考えをお前たちに植え付けてはいけないと思って育ててきた」と続けた。

単純人間の父がそんな深い思慮を持って子育てをしていたことに私はたまげたけど、こんな偏った思想にふれながらも父と違う考えを持てたことは偶然の産物ではなかったのだと思った。

人間の理性というか、命に対する根源的な気持ちというか、そういうものの真骨頂を見たような気がして、少し心が晴れた。


あと父が芯から危ない人じゃないんだと確認できて安心した。

今日も世界が平和でありますように。